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2012年11月30日金曜日

Vol.3 小林耕平さん、アートパスに来たる

午後ラジ第三回のゲストは、アーティストの小林耕平さんでした!

この日は、先端の1年生と絵画科油画専攻の1年生との共同企画として、毎年開催されている大規学内展「取手アートパス2012」 の開催初日でした。アートパスの期間中、芸大取手校地には無数の学生作品が所狭しと並びます。このアートパスにはほぼ毎年足を運んでいるという小林さん。大賑わいのメディア棟4階ラウンジにて、この日の午後ラジもまったりとスタートしました。

ちょうど時を同じくして、山本現代にて個展「あなたの口は掃除機であり、ノズルを手で持つことで並べ替え、電源に接続し、吸い込むことで語る。」を開催中の小林さん。新作のコンセプトや、作品制作に於ける思考のプロセスなどについて、興味深いお話をたくさん聞かせて頂きました。

トーク中、小林さんの実際のパフォーマンス映像が流れると、ラウンジは一気に笑いと戸惑いと驚きの入り交じった、なんとも言えない不思議な空気に包まれます。集まった学生の誰もが小林さんの作品に強く惹かれ、その実直なお人柄から繰り出される真摯で誠実なプレゼンに聞き入っておりました。

自分の作品についてを特定の人にレクチャーするというパフォーマンスのレクチャーを受ける私達。贅沢なトークの内容は、小林さんの最新作のお話から、卒業制作にまで遡り、多岐に渡って大きく盛り上がりました。

言語、身体、映像といった、複数のメディアを自在に横断しながら作品を展開されている小林さん。自分が扱う表現メディアのそれぞれついて、どのような意識で向き合っているのかについてのお話は、私達先端芸術表現科の学生にとって、大変重要なお話でした。

このトークの詳細については、卒展会場で販売予定の卒展カタログの3冊目に収録されます。興味のある方は是非お買い求め下さい!

文責:足立靖明

2012年11月9日金曜日

Vol.2 守谷ARCUSのレジデンスアーティストとの交流


この日は、守谷にあるアーティストインレジデンス、「ARCUS」で活動するアーティストの方々が来てくださいました。
ARCUS でどのような活動を日頃しているのか、レクチャーをしていただき、学生たちは興味深そうに聞いていました。
ARCUS は、世界的に有名なレジデンス施設で、日本で活動したいと思っているアーティストにとっては登竜門のような存在とのことです。日頃、守谷のお隣の取手で制作している私たちですが、こんな近くにレジデンス施設があるなんて!!と驚きです。
オズギュル・デミルジさん、バスィール・マフムードさん、ユ・ウンジュさん


















韓国・トルコ・パキスタン、様々な国のアーティストの方々がARCUS
から来てくださいました。3人とも守谷という街に住みながら制作することをとても楽しんでいるように見えました。

ARCUSのレジデンス期間は3ヶ月と少ないですが、その中でも1人1人の制作スタイルや作品のお話からは様々な発見と困難が伺え日本での生活を楽しんでいる様に聞こえました。キュレーターの方のお話も交えながら進み、笑いも起きる場面もあり、とても盛り上がりました!

そして、ARCUS には海外のアーティストがレジデンスに在中の時日本人のアーティストも一緒に制作しているとのことで、今年は先端芸術表現科の卒業生である木村泰平さんが選ばれ、ARCUSメンバーとして参加するARCUSオープンオープンスタジオに向けてのお話をしてくださいました。先端の先輩が卒業後どのように活躍の場を広げているのか、具体的な話を聞けたのがとても楽しかったです。

活動紹介&レクチャー終了後、ARCUSメンバーの方には当日芸大取手校地で開催されていた先端芸術表現科学部4年生の展示(「事前審査展」)を観て頂きました。


















その後、「事前審査展クロージング餃子パーティー」を行いました。
会場となったラウンジではホストの学部4年生がチャイナ服をセクシーに着こなし、パンダと一緒にゲストをお向えしました。

パンダは上野のパンダをイメージしております。このパンダはまもなくオープン致します先端卒展2013公式HPで先端芸術表現学科と取手校舎の紹介をがっつり担当しておりますので是非そちらもチェックしてみてくだね!





















そしてクロージングパーティーでは各学生間で餃子やチヂミ、お酒を囲みながら皆で卒展に向け話が進みました~!卒展に向け、どのように皆が制作を進めているのかを確認できる展示となり、1月が楽しみになりました。皆さんも是非1月、上野の卒業制作展を観に来てくださいね!



文責:片山慈子、飯田有佳子

2012年11月1日木曜日

Vol.1 小沢剛さんについてもっと知ろうの会



記念すべき午後ラジ、第一回目のゲストは、2012年の10月から先端科の准教授に就任された、アーティストの小沢剛さんでした!

まだまだ小沢さんについては私達も知らない事ばかり。大学の大先輩でもある小沢さんに、ご自身の学生時代の話から、卒業後の活動や作品の展開のあり方について、思わず声を出して笑わずにはいられないこぼれ話をふんだんに織り交ぜながら語って頂きました。

小沢さんが学生だった80年代中期の日本。バブル絶頂のアゲアゲな高揚感にとんと馴染めなかった小沢さん。芸大の試験会場で隣の席だったという会田誠さんとの電撃的なファーストコンタクトや、大学入学後、アカデミックな絵画を描きながら演劇部で精力的に活動されていた頃のお話、そしてバックパッカーとして世界各地を旅して回られた頃のグローバルなお話など、小沢さんの温かいお人柄が垣間見える様々なエピソードが飛び出します。当時からのライフワーク的作品「地蔵建立」誕生秘話についてのお話もして頂けました。

自由な学生生活を謳歌していた小沢さんにとって、大きな転機となったのは、画廊を借りて行った、キャリア初の個展で味わった大いなる挫折感、だったのだそうです。来場者の少なさに「もっとこちらから社会に乗り出していかなきゃ駄目だ」と感じた小沢さん。
道行く人々に、作品の方向性の全てを委ねる「相談芸術」シリーズはここから生まれました。この「相談芸術」は一大プロジェクトに発展し、水戸芸術館を舞台に来場者のリクエストにとことん答え続ける異色の展覧会として大成功をおさめます。

村上隆さんや中村政人さんと共同で企画した「新宿少年アート」など、アート業界にセンセーショナルな話題を振りまき続けてきた小沢さんの活動。当時の貴重な写真と共に、爆笑エピソード満載で炸裂した幸せなスペシャルトークは、次第に核心的な方向へ。

美術は世界と繋がるルーツとしてあると考える小沢さん。美術業界の一部の人の傾向に合わせて作品を作ってきたつもりはないし、これからも作るつもりはないと力強く語ってくれました。20世紀の様々な作家がとってきたアートの手法を参照し、それを追体験し血肉化し、少しづつ方向を見定めてきたと言う小沢さん。そんな小沢さんに、先端の卒業制作展に期待される事を伺いました。

「卒展は長い人生のあるひとつのチェックポイント。それはゴールではない」
決してそこで目燃え尽きる事なく、その後の人生をも俯瞰しながら、ある種の余裕を持って制作に臨んで欲しい、そんな言葉を頂きました。

貴重なたくさんのお言葉、小沢さん、本当にありがとうございました!
この日のトークの内容については、卒展期間中の先端卒展ブースにて販売される、先端卒展カタログ2013の3冊目に収録されています。興味のある方は是非お買い求め下さい!

文責:足立靖明