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2012年11月1日木曜日

Vol.1 小沢剛さんについてもっと知ろうの会



記念すべき午後ラジ、第一回目のゲストは、2012年の10月から先端科の准教授に就任された、アーティストの小沢剛さんでした!

まだまだ小沢さんについては私達も知らない事ばかり。大学の大先輩でもある小沢さんに、ご自身の学生時代の話から、卒業後の活動や作品の展開のあり方について、思わず声を出して笑わずにはいられないこぼれ話をふんだんに織り交ぜながら語って頂きました。

小沢さんが学生だった80年代中期の日本。バブル絶頂のアゲアゲな高揚感にとんと馴染めなかった小沢さん。芸大の試験会場で隣の席だったという会田誠さんとの電撃的なファーストコンタクトや、大学入学後、アカデミックな絵画を描きながら演劇部で精力的に活動されていた頃のお話、そしてバックパッカーとして世界各地を旅して回られた頃のグローバルなお話など、小沢さんの温かいお人柄が垣間見える様々なエピソードが飛び出します。当時からのライフワーク的作品「地蔵建立」誕生秘話についてのお話もして頂けました。

自由な学生生活を謳歌していた小沢さんにとって、大きな転機となったのは、画廊を借りて行った、キャリア初の個展で味わった大いなる挫折感、だったのだそうです。来場者の少なさに「もっとこちらから社会に乗り出していかなきゃ駄目だ」と感じた小沢さん。
道行く人々に、作品の方向性の全てを委ねる「相談芸術」シリーズはここから生まれました。この「相談芸術」は一大プロジェクトに発展し、水戸芸術館を舞台に来場者のリクエストにとことん答え続ける異色の展覧会として大成功をおさめます。

村上隆さんや中村政人さんと共同で企画した「新宿少年アート」など、アート業界にセンセーショナルな話題を振りまき続けてきた小沢さんの活動。当時の貴重な写真と共に、爆笑エピソード満載で炸裂した幸せなスペシャルトークは、次第に核心的な方向へ。

美術は世界と繋がるルーツとしてあると考える小沢さん。美術業界の一部の人の傾向に合わせて作品を作ってきたつもりはないし、これからも作るつもりはないと力強く語ってくれました。20世紀の様々な作家がとってきたアートの手法を参照し、それを追体験し血肉化し、少しづつ方向を見定めてきたと言う小沢さん。そんな小沢さんに、先端の卒業制作展に期待される事を伺いました。

「卒展は長い人生のあるひとつのチェックポイント。それはゴールではない」
決してそこで目燃え尽きる事なく、その後の人生をも俯瞰しながら、ある種の余裕を持って制作に臨んで欲しい、そんな言葉を頂きました。

貴重なたくさんのお言葉、小沢さん、本当にありがとうございました!
この日のトークの内容については、卒展期間中の先端卒展ブースにて販売される、先端卒展カタログ2013の3冊目に収録されています。興味のある方は是非お買い求め下さい!

文責:足立靖明

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