ページ

2013年1月27日日曜日

卒・修展二日目第一部 ゲスト:「とびラー」山近さん、黒田さん


卒業修了制作展二日目、本日の午後ラウンジは二部構成で開催しました!
前半は、とびらプロジェクトのアートコミュニケータ「とびラー」の山近さんと黒田さんによる公開講評です。



まずはゲストお二人に「とびラー」になられたキッカケをお話しいただきました。

グラフィックデザイナーの山近さん(画像右)
「“美術館を気軽に来れるものにしたい”という気持ちでとびラーに」

黒田さん(画像左)
「障害を持つ方と見る美術がきっかけで東京都美術館との縁ができたことから」

と美術をより身近なものに、と語るおふたり。とても穏やかな雰囲気で講評がはじまりました!




トップバッターの萩原梨奈さん
装飾のもつ拘束性について。一見おいしそうでかわいらしいのに、「大罪こそ誉れ(檻と鑑はよく似ている)」というタイトルとはものすごいギャップがある、とゲストのおふたり。萩原さんは無自覚だったようです。



森未央子さん
東京を舞台にした奇妙なグラフィックノベル。製本も自分で行ったそうです。
「想像力が掻き立てられる、いろいろな読み取りかたができる作品」との評を頂きました。



原薆さん
家族写真を細かく裁断して枝のように繋げた作品。デジタル写真が中心となり現像・プリントもなかなかすることのなくなったいま、写真の物質としての存在感を大切にしたい、とのこと。ゲストのおふたりからは作品の繊細さとタイトルとの整合性を評価されていました。



飯田有佳子さん
ジオラマの中のモニターから映像が流れています。
「4分程度の映像ですが、それらを4分きちんと見る人もいる。ジオラマだけさっと見る、いろんな人がいるけど「自分が何にピントを合わせているのか」を意識してほしい。」
制作スタイルと作品の空気感がマッチしている、と山近さん。



片山慈子さん
「くっつける(=歩道とする)」というルールのもとに、階段を鑑賞者に動かしてもらうインタラクティブな要素のある作品。山近さんは実際に大きく階段を動かされてました。
黒田さんからは「共有、共通のものを自在に組み替えていくことができる、ということにものすごい可能性を感じる」と評をいただきました。




長塚梨南さん
タイトルはANIMALE("Animal + Male")という造語。大きい動物も小さい動物も一生の拍動は一緒。小さな動物の方が濃い一生を送っているような思いで、小動物をモチーフに制作された粘土を使った作品。
黒田さん「強いエネルギーも感じるけど、それ以上に包み込むようなやさしい愛情を感じます」




石谷さん
自身の教育実習の経験から感じたこと「美術教育」をテーマにした、サイレントのアニメーション。山近さんも美術教育に携わっていたとのことで、美術教育における問題意識について話が盛り上がりました。




白井亜沙美さん
「視線のたどり着く先」を考えて生まれた作品。skypeで話すときに相手と目が合わない違和感。慣れてしまうと通りすぎてしまう奇妙な感覚を感じ直してほしい、とのこと。三面鏡の様になっていますが、実際に座ると…?是非会場で鏡の前に座ってみてください。ゲストのおふたりにも奇妙な感覚を体験してもらいました。





最後は、田村かのこさん
芸術的価値がある芸術「作品」と、商業的な価値がある「商品」を、同じ空間に並べたらどうなるだろうか?という試みとして、本展示の作品のポストカードを販売するミュージアムショップを設置。また、この「ミュージアムショップ」のポストカードは東京都美術館の常設のミュージアムショップにて販売されており、この構造がこの「ミュージアムショップ」を作品として成立させる、とのこと。
黒田さんからは「作者と鑑賞者を繋ぐ作品だと思う」との評をいただきました。






ここで本日の午後ラウンジ、前半の部は終了です。たくさんの方にご参加いただきました。ありがとうございました!

0 件のコメント:

コメントを投稿